なぜ、直説法だと理解できないのか?

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今日のレッスンは音域の広げ方、文法など私がこの2年間で身につけたいことを先生と話しました。

文法は悩みの種で、とにかくこの30年間全く納得できていません。中国語を学び始めてからの直接法による授業内容、現地の大学受験の勉強内容、大学に入ってからの勉強方法を先生に話しました。1年半の語学学習では大学の勉強はとてもついていけません。教科書の1行の3分の2は漢字の読みが分からないレベルです。これが数科目、レポートはどの科目にもついてきますし、そもそも中国の歴史なんて知らない・・・。先に日本語で理解するために、中央図書館に行き(日本語の書物がたくさんあります)、ほぼ1日中コピーしていました。

語学学校は教科書をササッと読み進めて程度なので、文法がどうしても分からないのです。文法の本を何冊か買って、一つのことに関しても角度の異なる説明文を読みましたが、どうも納得できない・・・。

言葉も1年半では本当に未熟です。大学に入ってからは日本語に変換する時間がもったいないので、先生や同級生が話す言葉をそのまま頭の中でリピートして、それを暗記、使えるようにしていました。でも、それでも文法は納得しないし、分かりませんでした。

日本に帰ってからも、この謎を勉強している人に話しても誰もわかってくれません。「考えすぎ」で終わってしまいます。ガイド試験も文法強化のために受けたのも理由の一つですが、合格しても相変わらずモヤモヤしていて何一つ私の中では納得できていませんし、作文も相変わらず悩みます。試験には合格したけれど、文法理解、作文強化においては、私の中では全く進歩した感覚がありません。今もそうですが、日→中の翻訳は本当に苦手です。感覚的にニュアンス的なことが分かるが故に、素直に単語を使えない一面もあります。作文は相変わらず語順で躓きますし、原書を読んでも「だから、こうなる」というのがイマイチ分かりません。私の語学はすべて感覚なのです。(これが臨界期を過ぎて聞いて覚えた学習者の特徴かもしれません)

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そんなことを先生に話し、中国語は「どうしてこうなるか」「こうだから、ここはこの言葉がくる」というのが全く分からないこと、文章を書くとき未だに語順がチンプンカンプンであること、そこから英語の話になり、中学のとき先生が文法を「こうだから、こうなる」ということを授業で説明してくれたから、理解できたし納得ができた、ノートも日英対訳にして、日⇔英をスラスラ言えるようにしていたので、中学レベルだけど、中国語より英語の文法の方が自信があることをお伝えました。

ここまで話したとき、先生がこの感覚を先生の英語習得体験から把握できたようです。先生の体験を聞いたとき、まさしく似ている状態であることが分かりました。ですから、私の「分からない」の意味を正確に分かってくださることができたと思います。先生が英語で似たような体験をしていなかったら、この私の「分からない」は理解できなかったと思いますので、(先生には申し訳ありませんが)苦労は無駄にはならないなと思いました。私の今までの大変さも、いつか同じように悩んでいる方のお役に立てる日がくれば、それこそ無駄になりません。

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恥ずかしながら、中国語を学び始めて30年経ち、ようやく今までの疑問や謎を解明できる入り口に立つことができそうです。

私がなぜここまで疑問を抱いていたかというのは、上記のことを「負」とすれば、「正」の部分があったからです。

言葉を知らず、台湾に行ったとき、まだ当時は「日本人に対する目」というものがありましたし、企業で派遣された若い方や駐在員の方は会社が砦となってくれて守られている部分がたくさんありましたが、私の場合はそういうものが全くなく、いつも体当たりされていました。言葉が分かるようになると、不都合なことは台湾語でやり取りされるので、とにかく騙されないようにしなくてはという意識が常に高くありました。

また18歳という年齢で耳が若かったこと(20歳の耳とは違うとこれは断言できます。言葉を学ぶ上では決して良い方法ではありませんでしたが、耳や感覚という点では18歳は大きいと思います)、言葉が分からないからこそ、相手の表情、しぐさから本音を読み取り、騙されないようにしなくてはという感覚は自然に体に染みつき、だから若くても、ある程度の建前と本音は分かりました。

日本人が話す中国語を聞くと、表情・しぐさで「うまい~」と大げさに褒め、それを聞いた日本人は素直に受けとめてニコニコしていましたが、その人が立ち去ると、すぐに「下手くそ」「何を言っているか分からない」という言葉は何回も耳にしていました。「本音」という部分に関しては歳は若くてもつかんでいたと思います。こういう感覚的なものが身についていたことは、今にもつながっていますし、大変役立っています。(この経験がなければ、中国人の生活指導はお手上げでした。「負」「正」があってこそ、できる仕事でした)

私がぶつかっている問題点は、レッスンを始めるようになってから、同じように悩んでいる人に役立つように改善点を含めて書いていきたいと思います。

中国語を学んでいる方を見ると私と同じようなことにぶつかり伸び悩み、仕事につながらない方もたくさんいると思います。何が伸びない原因になっているかも気づかない方がたくさんいると思います。そんな方に参考になることを将来このブログで発信できたらと思います。