親の意識と子供の外国語教育①

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親の考え方によって、子供の外国語教育法が異なるのは今の日本を見ていても分かります。何がいいのかは分かりませんが、台湾にいたときに他の台湾の人とは違う外国語教育をしていた人を、またある意味典型的な詰め込み教育を受けていた小学生の子供さんについてご紹介したいと思います。

今日、ご紹介するのは、台湾でお世話になった大家さんの一人です。その方のご主人は船長さんで日本語が話せます。ほとんど台湾におらず、奥さんとは当時としては進んでいたFAXでやり取りをしていました。(当時は電話、AIR MAILの時代でした) 子供さんは2人いて、普通に台湾の教育の受けていました。父親が外国人と接しているせいか、また世界各国の話を聞いているのか、当時の他の台湾の人とは違う印象がありました。

台湾に限らず、中国人は人を家に招き食事をします。外国人とのお付き合いも多い方なので、自然と外国人を家に招きます。もちろん、相手が中国語を話せなくてもです。私もこれが縁で大家さんの家のお隣に住んでいた日本人の方と知り合いになりました。そのとき、大家さんも自分の友達を呼んだり、また友人の子供たちも呼びます。子供たちは何語が飛び交っているか分かりませんが、大人と食事を一緒にとります。

台湾は当時も受験地獄で朝から真夜中まで勉強するのが当たり前でした。とにかく周りが「勉強しなさい」モードでした。もちろん、英語は必須です。ですが、見ていると比較的外国人と接触のある職業についている方の家庭教育は一般的な家庭とは一味違う家庭教育に感じました。子供が幼い時から、外国人のお客様を家に招き、一緒に食事をすることを普通にしています。ここが違うなと思いました。英語ができると将来収入が多くなるから英語を勉強しなさいと子供に言っている家庭が多いと思いますが、こういう外国人を家に招き入れている家庭はそういうことは何も言わないのです。一緒に食事をすることで子供自身に気付かせているように思いました。自分が言葉を勉強すれば、相手と楽しく会話をできるということを!

また、母語が違ってコミュニケーションが取れなくても子供は子供同士で遊びます。言葉ができなくても子供はお互いが楽しめる遊びを考えてします。ここでも言葉ができれば、もっといろいろな遊びができる、お互いもっといろいろ話せるということを外国語を学ぶ前に親は教えているように思いました。

「外国語を勉強しなさい」ではなく、「言葉ができると楽しさが増える、友達が増える」ことを親がお客様を家に招いて子供に教えているように思いました。そして、自分から勉強する気持ちになるような環境も整えているような気がしました。

外国語を勉強をしたい環境をさりげなく創り出しているこの演出?はすばらしいものです。当時から台湾は経済格差が大きく、日本では考えれられないほどでした。上流社会、裕福な家庭ほどこのような傾向があるような印象も受けました。台湾に行くことによって、私は「教育」の仕方にも大変興味を持ちました。この教育によって、明らかにその家庭の価値観、子供に対する愛情、将来に対してのリスクの減らし方の考え方がよく分かるのです。そして、外国に通じている人ほど、本当に大切なものは何か知っているような気がしました。

次回もご紹介をしていきたいと思います。