息抜き以外は猛勉強

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私が台湾へ行く前に某自動車会社で海外勤務をされ、東京外大で中国語を学ばれた方に父と一緒に話を聞きに行きました。その方の中国語は一言しか聞いていませんが、抑揚のある中国語で本当に聞き惚れる中国語でした。大学に入った一年間は発音と声調練習だけしていたとおっしゃっていました。

今日はその方の娘さんの話です。父親の仕事の関係で台湾とタイに住んだことがあります。いつ、どのくらい、どこで生活していたのか、肝心なことは知らないのですが、4か国語話せると聞いています。日本語、中国語、英語、タイ語です。おそらく高校がタイのアメリカンスクールだったような気がします。

台湾から帰国後にご挨拶に行ったときにちょうど娘さんがいて(同世代)、一緒に食事をしてそのまま東京へ戻られました。私の両親からの話ですと大学は帰国子女枠で入り、卒業後は人気企業の(当時の)スチュワーデスになりました。短い時間でしたので、残念ながらどう言葉を学び維持していたのかということを聞くことはできませんでした。

お母さま曰く、アメリカンスクール時代はリフレッシュタイム以外は猛勉強していたそうです。週末はほとんど一日中勉強。日本語のことを聞きますと「英語では言えるんだけどな・・・、(日本語ではどう言うのか分からない)」ということはあったそうです。

中国語、タイ語が話せるということは、やはり相当勉強したと思います。台湾の日本人学校に通っていた子は中国語は全く話せませんでしたから。

(台湾駐在の)多くの日本人は日本人社会で生活をし、子供は日本人学校に通っています。日本人学校に通っていても日本語の情報量は少ないため、帰国後国語の家庭教師をつける人もいました。母語でさえ、海外にいると日本語力は落ちるのです。

だから、子供のとき海外にいて、大人になってもその語学力を維持している方は受験生以上の勉強を毎日していたと思います。そうでなければ身に付きませんし、維持できません。加えて、海外にいる間、日本人の同世代との日本語の会話がないまま成長するわけですから、その間の日本語は完全にきれいに抜けています。それを埋めることは簡単ではありません。それは私自身、経験しています。

子供の時に海外にいて、今通訳として活躍されている方は語学力の維持はもちろん、日本語も相当勉強したと思います。それを知らない多くの人は「子供の時に海外にいたから話せるんだ、いいな。」と相手を羨みますが、実は日本にいる私たちが知らない苦労をして(いじめに遭ったり)、現地の言葉、日本語を勉強しています。

語学のできる方は普通の人が想像できない猛勉強をしています。言葉を身につけるということは簡単ではないということが、できる方に出会い話を聞けば聞くほど思います。