今日は前回お話ししました通訳学校で知り合った中国人女性についてお話します。彼女の話を聞けば、ご両親が彼女の中国語を維持させるためにどれだけ苦労をされたかが分かると思います。しかし、そうしなければ、やはり語学は身につかないということです。
彼女の中国語を聞けば、誰もが疑わずに中国語ネイティブだと思います。しかし、自己紹介のときに「母語は日本語」と話していました。ん?、日本で育って日本の学校に行って、中国語をそこまで話せるなんてありえないです。
彼女と話すきっかけがあり、日本で育ってどうして中国語を母語のように話せるかを聞いてみました。そこにはご両親の努力がありました。
(私からみれば十分すぎる中国語ですが、本人は「まだまだ」のようです。本人には本人が思うところがあるようです)
記憶が定かではなくて申し訳ありませんが、確か幼稚園ぐらいの時から、中国語を忘れないために夏休みなどを利用して日本と中国の行き来をしていたそうです。きっとご両親は幼い時に中国語を話せても日本にいたら中国語を話せなくなるのが分かっていて、そのためには定期的に中国に行くことが大切だと思っていたのでしょう。小学校に入学してからも毎年中国に行って(帰って)いたそうです。
夏休みに中国に行ったからと言って、中国語が維持できるとは思いません。日本に帰ってからも、きっとご両親は忘れないように家庭でも意識して中国語を使っていたのではないかと思います。中学校入学あたりまで、毎年中国へ行ったそうです。中国語維持のために、毎年中国へ行く(帰る)飛行機代や何かと感じやすい年頃に学校の活動に参加できないことは決して簡単ではありませんが、ご両親は中国語を維持させるために敢えてやられてきたと思います。
時々ですが、小学校や中学校の面談通訳を頼まれます。毎回「言葉」については本当に考えさせられますが、小学校、中学校の時点でその外国語の環境に入った子供たちは基本的に言葉の習得については「時間の問題」以外は何もないような気がします。しかし、母語は自然に完全に忘れてしまうか、たとえ話せても中国に住む同年代の子と比べればかなり落ちると思います。そこをどうするかですよね。意外と私の周りにはいろいろな方がいます。こちらも順追ってご紹介していきます。